皆様、明けましておめでとうございます。

年の初めに、政治や世の中の事に表だって不満をいう前に、まず自分の身を律していきたいといつも思いますが、つい自分の事は棚に上げてしまいます。

どちらのご家庭でも、お正月の過ごし方は大体決まっていると思いますが、私の育った家では、まったく決まっておらず、数年毎に変わっていった様に思います。

ある数年間は、雪の深い生活していくだけで一日が終わってしまうような山小屋に、スキーと言えば聞こえは良いのですが、リフトも何もなく、スキーをするには、長時間スキーをつけたまま登らなくてはならず、1日に3本も滑れば上出来といった具合でした。

またある数年間は、我が家の様だった京都の旅館で過ごした事もありました。

我が家では、お正月や各家庭で祝う記念日などに、まったくといってよいほど無関心で、1日に、あけましておめでとうございますと、挨拶を交わした覚えがありません。お年玉をもらった事もありません。

よくお正月には、子供達を連れて実家に帰るという話を聞きますが、そんなに遠方ではなかった母の実家に連れて行かれた事はありません。

両親の晩年には、鶴川で過ごす事が多くなりましたが、何となく、お雑煮はおすましで、野菜は青菜だけとか、お正月の食卓に並ぶべき料理が彼らの意識の中にあるのが不思議でした。

お年玉は意識の中にないようで、孫共も貰った事がありません。

武相荘のひとこと(第1回)

牧山桂子

催し物 —— 近々開催

会員向け先行募集

骨董勉強会

2015年2月15日開催(14時より/要予約)

「自在屋」四代目店主、勝見充男さんが、武相荘3月の骨董市に先立ち、勉強会を開いてくださいます。参加をご希望の方は下記お申し込みフォームより、お申し込みください。

  • 期日: 2月15日(14時より/要予約)
  • 参加費 :
    メンバーと同伴者1名まで 各¥1,000
    一般参加 ¥3,000(入場料込み)
  • 定員: 20名程度

※本件は1月10日より一般へも告知いたします。

白洲正子旧蔵の品々も出ます

骨董市

2015年3月15日開催(10時より/予約不要)

「自在屋」四代目店主、TV「開運!なんでも鑑定団」鑑定士の勝見充男さんを中心に、楽しい骨董市を開催。眼で見て触って、あなただけのほんものに出会えるかもしれません。

ぼくの日々録(第1回)

倶楽部の発足

2014年12月20日の、武相荘の倶楽部発足懇親会でもお話ししましたが、白洲次郎は倶楽部というものを、イギリスのメンズクラブを意識していたようでした。

ある夏のこと、軽井沢ゴルフ倶楽部のメンバーである財界の大御所のお一人が中心になって、大学の同窓生のプライベートなコンペティション会を発足したいと思う。ついては同窓の一人でもあるお前さんが、次郎さんに意見を聞いてこいと言われたことがあった。

次郎の意見は、クラブというものはメンバーがすべて平等に扱われることが原則である。したがって倶楽部内にまた小集団を作りこそこそ何かやっているのはあまり行儀が良くないなとのことだった。

私の報告を聞いて、その方は、飛び上がって次郎さんに文句を言われちゃ敵わないとその案は中止にしてしまった。

ただし、プライベートな同窓コンペはいろいろあり、その後の懇親会は別のところでやったりして楽しんでいる。

私の所属する横浜にあるクラブでは、年齢を超えた親睦のための学校同窓会もあれば,干支の会や、下戸の方のアンミツ会,髭の会などバラエティーに富んだクラブ内クラブまであります。

武相荘の倶楽部はどんな発展をするのでしょうか楽しみです。

牧山圭男

ショップ新入荷・再入荷

普段使いに手仕事の一品を

ストレート コップ〈新入荷〉

やはりストレートタイプがよい。という方へ。
武相荘からのリクエストに応えて、ガラス職人の中村氏がこしらえて下さいました。晴れやかな透明感のある、たっぷりとしたコップです。

Ф70×H110mm ¥2,484

装いの楽しみ

ドロップリング ペンダント〈新入荷〉

リングに瑞々しいガラスの雫がゆれるペンダント。シルクの紐には金細工のアクセントを。(アジャスト付)

作家による1点もののため、それぞれ個性があります。

各 ¥21,600

正子の著書より

松かざり

先日、白隠禅師の「日々」という書を手に入れた。日々というのは、永遠の意味だそうで、このような言葉は、説明をしはじめたら切りがない。私は勝手に、その日その日を大切に生きることと解釈しており、新年の自戒のために床の間にかけた。白隠の書も画もグロテスクなものが多く、私はあまり好まないのであるが、この字は実に率直で、力強く、それに墨色が抜群に美しい。よけいな説明を加えるより、それぞれの立場で、みごとな書体から直接何かを感じとるに如くはないと思っている。

そいうわけで、この連載も、白隠の書にあやかって、《日々録》と名づけることにした。例によって、日常の暮らしの中のささやかな記録にすぎないが、お正月だけは、掛け物の手前もあり、少し改まった気分で松をいけた。川瀬敏郎さんが、近江から、美しい姫小松をとりよせて下さったので、木の香も新しいお三方に塩を盛り、二本の松をさして新春を祝った。

これまたどのようにも解釈できる洲浜の景色で、松を山と見るなら、塩は水、白砂青松の清々しい眺めを想像してもよし、陰陽和合して一つの世界を形づくる、と思っても構わない。

或いは、『高砂』の尉と姥に見立てるのも面白いが、自然の松でも、二股にわかれた老松は、夫婦松、相生の松、連理の松、などと呼ばれて、めでたいものの象徴として尊ばれている。

お三方は、京都の指物師の江南さんに作っていただいた。お三宝と書く場合もあるが、三宝とは仏・法・僧のことだから、それは間違っている。ふつうは三方に窓があいているので、それで「三方」というらしいが、これは「四方刳り(よほうぐり)」といい、四方に窓があるだけでなく、ふちも高く作ってあり、数あるお三方の中でも古式のかたちだそうである。

世界文化社刊 白洲正子「余韻を聞く」〈日々録〉より

Member's Room

吉田茂から白洲正子への手紙
父の樺山伯爵と親しく、大磯の住人同士であった吉田茂のことを、正子は、「吉田のおじさま」と呼んでいた。 —— メンバーズルームに展示中

第2号は2月1日発行。メールでお知らせ致します。

12月20日、倶楽部初となる懇談会を開催いたしました。
「一方一方のお顔の見られる範囲で気楽にお話ししたい」という会長牧山の趣旨のもと開催された会でしたが、自己紹介ではメンバーのユニークで魅力的なエピソード、また武相荘への並々ならぬ熱意にスタッフ一同、感激と同時に身の引き締まる思いを致しました。
話題が会の今後に及ぶと、企画案も出る闊達な意見交換会となり、終了後もレストランへ席を移しての2次会へ続かれたようでした。
急な募集、また当日の悪天候に関わらずお集まりいただきましたメンバーの皆様、誠に有り難うございました。今後も同様の懇談会を定期的に開催する予定でおりますので、今回ご参加されなかった皆様もどうぞご期待ください。

1月7日には「レストラン&カフェ 武相荘」のお披露目会もございます。お正月ならではのお餅つきも開催(11時から)、皆様ふるってご参加下さい。

「武相荘の倶楽部だより 第1号」最後までお読みいただきありがとうございました。

次号予告

  • 特集
  • 武相荘のひとこと(第2回) 牧山桂子
  • ぼくの日々録(第2回) 牧山圭男
  • 催し物 —— 春以降の開催イベントをお知らせ
  • メンバーズルームのひとコマ
  • ショップ新入荷・再入荷

ご意見・ご感想はコチラまで : otayori@buaiso.com
※尚、お寄せいただいた内容は当「武相荘の倶楽部だより」等、倶楽部向けのコンテンツで、ご紹介させていただくことがあります。